世の中が複雑かつ高度につながるようになってくると
経済活動でも人間を束にして快刀乱麻を切るようには説明がつかなくなってきました。
人間はもう少し変な生物だということを計算にいれないと説明がつかなくなって
行動経済学というアプローチが生まれました。

宇宙物理学においても、一見3次元、時間を入れて4次元にみえるこの世界も巧妙に隠されている次元があって実は5次元なんだという説もあります。
単純ではない ということですね。

深く考えると複雑だけれど、
日々の生活は複雑系を意識はしていない。
この世界の本質は複雑系であるらしい。でも
日々の生活は単純思考でもやっていけるというのが面白い所です。                             

わたしは日経225オプションという取引を長年やっています。
この取引でやっていることは加減乗除だけです。
頭の体操になるし、お金ももらえるのでありがたいです。

225オプションはリスク管理が重要です。わたしの記事を読んでくださっている方で

やってみようと思う場合は十分学習してから行ってください。

オプションの説明は省略しますが、取引にあたってプレミアム(価格)
という数字を使います。
このオプションのプレミアム(価格)を決めているのはブラック&ショールズ方程式という3種類の関数が入れ子構造になっている結構ややこしい偏微分方程式です。
しかし、オプションの実務では足し算引き算掛け算たまに割り算をすばやくできれば大丈夫です。応用数学が取引の裏側に存在するという片鱗さえも意識しません。

単純と複雑の違う世界を行ったり来たりするところに、この世界のダイナミズムがあるように思います。
世界の下部構造の複雑性があきらかにされてきましたが、それにサポートされた上部構造は一見単純なのだと思います。
単純思考で生きていけるほど今日の世界は甘くないですが、あまり複雑に
考えないで実用的に効率的に生きていけば良いと思います。

世界は本質における複雑系と表面の単純系が出会って成り立っている。だから―
勉強しなさい、に対して書を捨てて街に出ようと言ってみたり、
教養主義に対して反知性主義が台頭したりするのは
社会のバランスを取るために起きている事なのだろうと思います。

最も、エリートといわれる人たちが知性を国民の幸せのためではなく、利益誘導や言い訳
のためだけに使っているじゃないか、という「知性への不信感」が反知性主義の根底にはあるのでしょうね。

いずれAIの知能指数が10000(人間は100-200)になるという時代に
さしかかっています。
人間には無分別智というAIにはない能力があります。

無分別智の世界はアイデア 直観 発明 悟り 自分の殻をやぶっていく
そんな楽しい世界です。
複雑な世の中をシンプルで楽しく、しかし創造的に生きていく知恵を育んでいきたい
と思います。