地方にお住まいの方にとって車は生活に欠かせません。

そして転勤が多い方以外は

長い歳月のなかで、日々出かける「立ち回り先」「行動圏」が決まってきます。

人間に限らず犬や猫もそうかもしれませんが。

主に利用する幹線道路があると思います。マイ幹線道路とでも言えるでしょうか。

国道のことが多いですね。

 

わたしも生まれ育った町にずっと暮らしているので

マイ幹線道路である国道は何千回車で走ったかわかりません。

幹線道路は集客装置でもあるので

ロードサイドのお店の栄枯盛衰もたくさんみてきました。

 

日本は島国なので 例外はあるにせよ

国道など幹線道路はおおむね海岸線と平行に走っています。

しかも国道 バイパス JR 高速道路 と複数平行線になっています。

一方、大きい河川は山から海へ流れますので

複数平行線と垂直に交叉する

わたしは複数平行線は「弥生以降の道」 

これと交叉する山―海ラインは「縄文の道」

と考えています

 

狩猟採集の人たちは海の幸 山の幸を縄文ラインで交易していたのでしょう。

稲作が始まり、通貨が使われ 交易圏が拡大すると弥生ラインでないと

人 もの 金 が円滑に流通しなくなりました。

 

高速道路とかJRとか複数平行のインフラはわたしたちの生活を便利にしてくれますが

ラインの向こうとこちら側という形で地域を二分します。

縄文ラインの分断です。

 

物理的に分断するだけでなく

気持ちの上でも

海は遠くなり、気軽に行く所ではなくなり

山は遠くなり、中間山地にお住みでない限り、ふだんの生活からはカーテン3枚(?)

くらいへだてた存在になりました。

そこで育まれた知恵も風化していきました。

 

普段は弥生ラインを使って日々、くらしていますが―

たまには縄文ラインに沿って移動してみる

河川の上流を訪ねる

下流を散策する

とまた違った風景がみえたり

遠い遠い祖先の生活の息吹に触れることができると思います。